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人の子

 双子達の祖父母4人は、既に駅前のロータリーで待っていた。

 8人を乗せたエリシオンは、神社に向かう。
 野々心と菜々心の初宮詣である。

 晴天に恵まれ、気温37度という猛暑。だが、これも天の祝福と思えば心地よく感じるから不思議である。

    ☆    ☆    ☆

 前日は、写真館で記念写真を作ってもらった。
 双子はそれぞれのペースで、眠る、目覚める、泣くを繰り返す。二人が、おめめパッチリ顔で揃うタイミングが難しく、半日がかりの撮影となった。
 長丁場にもかかわらず、スタッフの皆さんに快く対応していただき、可愛い写真が撮れたのである。

 帰りには、SATYで「エアバギーダブル」デビューも果たした。
 実に多くの注目を浴び、何人もの方から声を掛けていただいた。
 これぞ双子父の醍醐味である。

    ☆    ☆    ☆

 神社は、夫婦が毎年初詣で訪れるところである。
 厄払いで祈祷していただいたこともあり、丁寧かつ現実的なところが気に入っている。

 祭殿横には、ベビーベッド付待合室があり、着物の準備など快適に行うことができた。記念撮影コーナーも用意されている。

 三脚を設置してのビデオ撮影にも快諾いただいた。
 最初の挨拶で、初宮詣の本来の意味など興味深いお話を聞かせていただき、やがて、祈祷がはじまった。

 一人づつ丁寧に祈祷していただき、30分程の儀式が終了する。
 これを境に、野々心と菜々心は、神の子から人の子になるというのである。

 頂いた絵馬を奉納し、本殿で改めて双子の無事を祈る。
 絵馬かけには、今年の正月に奉納した絵馬が残っていた。

  「元気な双子が生まれますように」

 願いは届き、元気な双子達がやってきたのである。
 横に並べて、二人の無事な成長を願う絵馬を奉納した。

    ☆    ☆    ☆

 自宅では、大勢の親戚達と祝い膳を囲み、楽しいひと時を過ごした。

 皆が帰った後、嵐が過ぎ去った後のような静けさの中で、無事この日を迎えることができたことに、夫婦で改めて感謝したのである。

    ☆    ☆    ☆

 生まれてはじめて、刺激が連続する二日間を過ごした双子達は、いつまでも泣き続けた。疲れて眠いのに、興奮して眠れないのだろう。

 少しぬるめのお湯に沐浴剤を入れて、ゆっくり浸からせると、やがて表情が和らいできた。
 ミルクを飲ませながら「疲れているから、明日の朝までぐっすり眠るんだよ」と言い聞かせた。

 入浴で暖まった身体を守るように、アフガンでしっかり包んでやると、やがて二人揃って眠りについた。

 そして、朝まで目覚めることなくぐっすり眠ったのである。

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帰宅

 1ヶ月検診を機に、妻と子供達が自宅に帰ってきた。

 妻の実家から自宅への大移動。
 行くとき以上の大荷物に加えて、義父母が乗車。
 無理かとも思ったが、広い空間は柔軟性が高い。安全性を確保できる範囲で、なんとか全てを積み込むことができたのである。
 車オタクとしての満足度は低いものの、今の生活においてエリシオンは正解だったと改めて思う。

 引越しも落ち着いたところで、妻と義母と一緒に買い物に出かける。すっかり孫育てに馴染んでいる義父がいるので安心である。
 ささやかながらお礼のつもりで、夕飯は、義父が食べたがっていたホルモン焼肉に決めていた。近所に美味しい肉屋があるので、帰宅の際にはぜひ食べてもらおうと考えていたのである。

 儀父母を家まで送り、戻ってきたのは深夜であった。
 環境の変化にもかかわらず、激しくぐずることもなく、娘達は落ち着いて眠ってくれている。
 子供の横に、夫婦並んで眠った。

 おかえり。
 これから、家族4人の生活が始まるんだね。

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